糖尿病には薬か、生活習慣改善か?〜日常生活の注意点〜

糖尿病には薬か、生活習慣改善か?~日常生活の注意点~

企業健診や自治体での健診を受けられた後、高血糖状態を指摘されて病院受診を促される方もいれば、糖尿病予備群として特定保健指導を受けるよう促される方など、健診結果で対応は異なります。

いずれにしても、高血糖状態から糖尿病を発症・進行しないよう直ちに予防に向けて行動して頂きたいのです。

糖尿病は適切な対応をとらず、その進行を放置すると取り返しのつかない重篤な合併症を引き起こしてしまいます

今回は、取り返しのつかない状態を避けるために健診受診後の行動で得られる非常に大きな!メリットを紹介し、健診受診後の賢明な行動についてお話しします。

 

健康診断でチェックするべき数値

健診受診後に届く結果で注目して頂きたい項目として、HbA1c値(ヘモグロビンA1c値)があります。これは、空腹時血糖値や随時血糖値とは異なり、直前の生活環境に影響されず、3ヵ月間の血糖状態を反映する安定的な糖尿病の検査項目です。

HbA1c値が6.5%以上だと糖尿病が強く疑われますが、6.5%未満だからといって正常とは言い切れません。HbA1c値が6.0-6.5%でも糖尿病の可能性を否定できず、糖尿病予備群と判定されます。

この状態では、空腹時血糖値は正常範囲内であっても、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」によって、食後の血糖値が200mg/dlになることもあり、食後血糖値が140mg/dl以上である食後高血糖によって血管がボロボロになり、すでに糖尿病の合併症を発症するリスクが高まっています。

 

もっとも効果的な治療とは

さて、糖尿病の可能性が否定できない糖尿病予備群の状態でも、取り返しのつかない合併症を予防するには糖尿病に対する治療が必要になりますが、糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法があります。

薬を使わず食事療法と運動療法を行う治療を「生活習慣改善」として、薬物療法との効果をガチンコで比較検討した研究があります。

糖尿病を発症するリスクが高い対象者を、①代表的な糖尿病治療薬(メトフォルミン塩酸塩)を投与する群、②偽薬(プラセボ)群、③生活習慣改善群の3つにランダムに振り分け、15年に及ぶ長期効果について検討した研究です(図1)。

結果として、下の図の通り、①糖尿病治療薬投与群に比べて③生活習慣改善群が最も糖尿病の発症するリスクが低かったのです。

それだけでなく、糖尿病合併症の発症リスクも③生活習慣改善群が最も低く、このことから食事内容、食事方法や食事時間の改善に加えて、食後の運動や日常生活での運動習慣の改善が必要となることがわかります。

 

 

図1.薬物療法あるいは生活習慣改善による糖尿病発症率の経時的変化

(Lancet Diabetes Endocrinol, 3: 866-875, 2015.より引用

 

直ちに取るべき行動とは

ここで改めて質問です。健診受診後の賢明な行動とは何でしょう。

そうです!HbA1c値が6.5%以上の場合は直ちに病院を受診すること。

HbA1c値が6.0-6.5%の場合は、直ちに食事療法と運動療法を開始することなのです。

せっかく行動に移すのであれば、より効率的に行うに越したことはありません。

 

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参考文献:
1.Diabetes Prevention Program Research Group: Long-term effects of lifestyle intervention or metformin on diabetes development and microvascular complications over 15-year follow-up: the Diabetes Prevention Program Outcomes Study. Lancet Diabetes Endocrinol, 3: 866-875, 2015.