薬は無意味?正しい糖尿病の治療とは

薬は無意味?正しい糖尿病の治療とは

糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、“治療”というとまず“薬物療法”を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ですが、糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法であって、「薬を飲んでいるから大丈夫」というのは単なる思い込みにすぎません。

率直に言いますと、薬を飲んでいるだけでは糖尿病そのものは治らないのです。

 

合併症を併発する前に…

前提として、糖尿病治療において重要なことは「高血糖状態の改善」です。高血糖になると血管が障害され、様々な合併症を併発してしまいます。

薬物療法では食事や運動だけでは改善できなかった高血糖状態を放置することになるので、あくまでも糖尿病の合併症を予防するための追加的治療にしかならず、一時的に血糖値を下げて高血糖状態を回避している…いわば誤魔化しているといっても過言ではありません。

よって根本的な「高血糖状態の改善」には食事療法や運動療法による生活習慣の改善が必要不可欠なのです。

ではどうして食事療法や運動療法が必要なのか、理由を説明します。下の図をご覧下さい。

 

*矢印は血糖値の急上昇・急降下である血糖値スパイクを示す。

 

この図は日本人の2型糖尿病(生活習慣の悪化が主な原因の糖尿病)患者の血糖値の日内変動に関する研究結果(J Diabetes Invest, 9:75-82,2018.)から引用したものです。

24時間のリアルタイムの血糖値の変動をみると、食後に血糖値が急上昇した後、急降下しています。

この状態は「血糖値スパイク」と呼ばれ、血糖値の乱高下が血管に大きなダメージを与えている危険な状態です。

「血糖値スパイク」を起こしやすい人の特徴は炭水化物の多い食事運動不足などがあげられ、健康診断で測る空腹時血糖値の数値には現れないため、見逃されやすいことから「隠れ糖尿病」と呼ばれています。

 

日常から気を付けるべきこととは

HbA1c値は3ヵ月間の血糖状態を反映する安定的な糖尿病の検査項目であり、6.5%以上が糖尿病の診断基準なのですが、図が示すように、HbA1c値が正常範囲内であっても高値であっても「血糖値スパイク」がみられることがわかります。

薬物療法によって高血糖の是正がはかられても、この「血糖値スパイク」は薬物療法では改善されません。

よって食事内容、食事方法や食事時間の改善に加えて、食後の運動や日常生活での運動習慣の改善が必要となるのです。

糖尿病になってしまうと食べたい物も自由に食べられないばかりか、合併症により視力を失くしてしまったり、脚を切断しなくてはならないといった最悪のケースに発展してしまうこともあり、実際、下肢の切断例は毎年1万人にのぼっています。

 

まずは生活の見直しを

繰り返しお伝えしますが、糖尿病の改善において最も重要なのは日頃から正しい食事や十分な運動を行うことです。

薬には血糖値を下げるといった効果がもちろん認められていますが、それだけでは糖尿病の根本的な治療や予防には繋がりません。

どんな症状に関しても「薬を飲んでいれば安心」ということは決してありませんので、これを気にご自身の生活を一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

将来の健康は日々の積み重ねによって決まります。

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参考文献:Hajime M, et al.: Twenty-four-hour variations in blood glucose level in Japanese type 2 diabetes patients based on continuous glucose monitoring. J Diabetes Invest, 9:75-82,2018.