百害あって一利なし!糖尿病の放置が引き起こす深刻なリスクとは?

百害あって一利なし!糖尿病の放置が引き起こす深刻なリスクとは

健診などで「血糖値が高い」ことを指摘されると、特定保健指導を受けることや病院などを受診するように勧められます。指導や受診を勧められても、自覚症状はないし、時間が無かったり、面倒に感じてしまいがちですよね。さらに、「血糖値が高くて何か問題でも?」と思いますよね。

 

高血糖を放置すると…

健診結果で血糖値が高いと指摘されても、そのまま放置される方がほとんどで、実際、日本において健診で高血糖を指摘されて医療機関を受診した人はわずか35%であり、65%は放置していたという報告があります。その原因として、「症状がないから、症状が出てから対処すれば良いのでは?」とお考えの方が多いためと考えられています。

確かに、高血糖状態でも初期段階では目に見える不調を感じません。

では、そのまま生活習慣を改善せず、高血糖状態を放置するとどうなるのでしょうか。

 

本当に怖い糖尿病の話…

血糖値が高い、すなわち「高血糖状態」は糖尿病の予備群、あるいは、すでに糖尿病になっている場合があります。糖尿病は生活習慣が非常に強く影響する生活習慣病であり、そのまま放っておくと大変なことになってしまう病気でもあります。

では、糖尿病と診断されなければ大丈夫かというと、そうではありません!

「高血糖状態」となった瞬間から、全身の血管をボロボロにしてしまい、この状態を放置すると下記のような合併症を患い、症状が出現した時には病状が確実に進行しており、場合によって命に関わるような最悪の事態に引き起こす可能性があります。

 

糖尿病の3大合併症

・糖尿病性網膜症:「失明」

・糖尿病性腎症:「人工透析」

・糖尿病性神経障害:「下肢切断」

字を見るだけでも恐ろしい最悪のケースと言っても過言ではないような障害が並んでいますが、こうした合併症はいずれも糖尿病の初期におこる微小血管の障害が進行した結果、引き起こされます。

この障害が大血管にまで及ぶと、脳卒中や狭心症、心筋梗塞に留まらず、癌になりやすくなるなど、命の危険という文字通り最悪の事態に陥ってしまう場合もあるのです。

 

糖尿病の治療法とは?

そんな最悪の事態に陥らないためには一刻も早く治療を始めることが大事になるわけですが、生活習慣病である「2型糖尿病」の代表的な治療法をここで紹介します。

 

糖尿病治療の3本柱

・薬物療法:血糖を下げる薬

・食事療法:血糖の上昇を抑える食事

・運動療法:血糖を下げる運動

 

どれも日頃の生活で続けて行っていかなければならない治療になりますが、今回は運動療法についての驚くべき調査報告をご紹介します。

 

運動療法の驚くべき現実

2015年の日本における糖尿病治療に関する報告では、糖尿病専門医あるいは一般内科医による生活指導のうち、食事療法は初診糖尿病患者のほぼ全員に指導すると約70%の医師が回答しました。

しかし、運動療法については初診糖尿病患者のほぼ全員に指導すると答えた医師が約40%と、半数以下にとどまっているという事実が明らかになったのです。

 

いったいなぜ運動療法を指導しないのか…

医師による十分な運動療法指導が行われていない理由として「指導に十分な時間がとれない」「適切な運動指導者がいない」「指導しても患者が実行しない」という理由が挙げられています。

そして患者側の意見として運動療法を実施しない理由に「時間がない」、「運動を続ける意欲がない」という個人の問題はもちろんありますが、「指導してくれる人がいない」という回答も挙げられている実情があります。

 

運動療法は効果絶大!

積極的に運動療法の指導が行われない原因は多岐に渡りますが、決して「効果が認められない」という理由ではないことを覚えておいてください。

信頼性の高い研究報告によると、糖尿病患者さんが適切な運動を行うことによって血糖値の指標となるHbA1c値が明らかに改善するとともに、死亡率が約40%低下することが明らかにされています。

 

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(参考文献)

1.  佐藤祐造ら:委員会報告 わが国における糖尿病運動療法の実施状況(第1報)−医師側への質問紙全国調査成績−, 糖尿病, 58: 568-575, 2015.

2.  佐藤祐造ら:委員会報告 わが国における糖尿病運動療法の実施状況(第2報)−患者側への質問紙全国調査成績−, 糖尿病, 58: 850-859, 2015.

3.  Sato Y, et al.: Situation of exercise therapy for patients with diabetes mellitus in Japan -a nationwide survey. Diabetology Int. 3: 86-91, 2012.