糖尿病に対する運動療法の効果を最大限にする工夫(運動の順序)について解説

糖尿病に対する運動療法の効果を最大限にする工夫(運動の順序)について解説

せっかく運動をするなら最短で効果を出せる運動をしたいとお思いでしょう。

そこでこの記事では「レジスタンス運動」と「有酸素運動」について説明します。

 

「レジスタンス運動」と「有酸素運動」とは

厚生労働省の情報によればレジスタンス運動とは筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動有酸素運動は酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が比較的軽い運動¹⁾と示されています。

簡単に言えば、レジスタンスは筋トレ有酸素運動はウォーキングです。

レジスタンス運動と有酸素運動、どちらを実施しても健康に効果的ですが、両方行うことでより効果が高く、睡眠の改善²⁾やダイエットに効果³⁾があることが研究でわかっています。

 

糖尿病患者には運動の順番が関係あり!

ではレジスタンス運動と有酸素運動のどちらを先に実施するのが良いかと言いますと糖尿病患者は『レジスタンス運動→有酸素運動』の順がベストです。

なぜならレジスタンス運動後に有酸素運動を実施すると運動中の血糖安定性が向上し、運動後低血糖の期間と重症度が低下⁴⁾、血管機能の低下を予防⁵⁾と言った報告があるので、糖尿病患者にとってこの順番(レジスタンス運動→有酸素運動)は出来るだけ意識された方が良いからです。

 

効果的に運動をするために

スマリハPROではレジスタンス運動と有酸素運動のプログラムを用意しています。

それぞれの運動強度はセラピストが面談し、身体機能を評価した上で決めるので一人一人にあった負荷量で無理なく実施できます。

もちろんこの記事にあるようにレジスタンス運動→有酸素運動の順でプログラムを組み、運動プログラムも同様ですが、運動効果を最大限に引き出す働きかけをしています。

スマリハPROで一緒に健康生活を始めましょう。

 

 

「スマリハ」で始める運動習慣

まずは気軽に身体を動かす習慣を付けるところから始めてみませんか?

セルフケアアプリ「スマリハ」では動画を見ながら正しいフォームでストレッチをすることで首・肩・頭痛の緩和をサポートしますので、ご興味がありましたらこちらからダウンロードをお願いいたします。

スマホで簡単、自宅で始める新しいセルフケア習慣

 

参考文献

1)厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
リンク:e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

2)Peng J, Yuan Y, Zhao Y, Ren H. Effects of Exercise on Patients with Obstructive Sleep Apnea: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2022 Aug 31;19(17):10845. doi: 10.3390/ijerph191710845. PMID: 36078558; PMCID: PMC9518429.
要約:睡眠時の無呼吸低呼吸指数(AHI)に対し、有酸素運動とレジスタンス運動が与える影響。有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせは、有酸素運動の単独よりAHIの減少に効果があった。
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36078558/

3)Willis LH, Slentz CA, Bateman LA, Shields AT, Piner LW, Bales CW, Houmard JA, Kraus WE. Effects of aerobic and/or resistance training on body mass and fat mass in overweight or obese adults. J Appl Physiol (1985). 2012 Dec 15;113(12):1831-7. doi: 10.1152/japplphysiol.01370.2011. Epub 2012 Sep 27. PMID: 23019316; PMCID: PMC3544497.
要約:肥満成人の体重と脂肪量に対する同量の有酸素運動と筋力トレーニングの効果を比較。単独で行うより、レジスタンス運動と有酸素運動の組み合わせは、体重の減少と筋肉量増加を得られる。
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23019316/

4)Yardley JE, Kenny GP, Perkins BA, Riddell MC, Malcolm J, Boulay P, Khandwala F, Sigal RJ. Effects of performing resistance exercise before versus after aerobic exercise on glycemia in type 1 diabetes. Diabetes Care. 2012 Apr;35(4):669-75. doi: 10.2337/dc11-1844. Epub 2012 Feb 28. PMID: 22374639; PMCID: PMC3308306.
要約:1 型糖尿病患者の急性血糖反応に対する運動順序(レジスタンス運動、有酸素運動)の影響。有酸素運動の前にレジスタンス運動を行うと、運動中の血糖の安定性が向上し、1 型糖尿病患者の運動後の低血糖の期間と重症度が軽減される。
リンク:1型糖尿病の血糖に対する有酸素運動の前後に抵抗運動を行うことの効果-PubMed (nih.gov)

5)Okamoto T, Masuhara M, Ikuta K. Combined aerobic and resistance training and vascular function: effect of aerobic exercise before and after resistance training. J Appl Physiol (1985). 2007 Nov;103(5):1655-61. doi: 10.1152/japplphysiol.00327.2007. Epub 2007 Sep 13. PMID: 17872406.
要約:レジスタンス運動の前後に行われる有酸素運動が血管機能に与える影響。レジスタンス運動前の有酸素運動では血管機能は改善されないが、レジスタンス運動後に有酸素運動を行うことで血管機能の低下を防ぐことができる。
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17872406/